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HealthDay News
  • メニエール病(MD)患者では片頭痛の発症リスクが高く、片頭痛患者ではMDの発症リスクが高いことが、「JAMA Otolaryngology-Head & Neck Surgery」5月号に掲載された研究において明らかにされた。 MDと片頭痛は同時に発生することが多く、複数の先行研究から、両疾患は関連することが示唆されているが、それらの研究における対象患者数は、関連を明らかにするには十分でないものがほとんどである。 そこで、チャ大学(韓国)のSo Young Kim氏らは、MDと片頭痛の双方向的な関連性を検討するため、韓国国民健康保険公団の2002~2015年の検診コホートのデータを用いて、片頭痛の既往のないMD患者6,919人(MD群)と年齢・性別・所得・居住地域などをマッチさせた対照群2万7,676人、さらに、MDの既往のない片頭痛患者3万5,889人(片頭痛群)と、同様にマッチさせた対照群7万1,778人を抽出した。層別化Cox比例ハザード回帰モデルを用いて、片頭痛に対するMD発症のハザード比(HR)およびMDに対する片頭痛発症のHRを求めた。また、年齢、性別、所得、居住地域別にサブグループ解析を行った。 その結果、片頭痛は、MD群6,919人中695人(10.0%)、対照群2万7,676人中970人(3.5%)に発生し、10万人年当たりの片頭痛発生率は、MD群で214、対照群で71であった。MD群では対照群よりも片頭痛リスクが高く〔HR 2.22、95%信頼区間(CI)1.99~2.49、P<0.001〕、MD群における片頭痛のHRは、多くのサブグループで高いままであった。一方、MDは、片頭痛群3万5,889人中1,098人(3.1%)、対照群7万1,778人中781人(1.1%)に見られ、10万人年当たりのMD発生率は片頭痛群で44.8、対照群で15.9であった。片頭痛群でも、対照群に比べてMDのリスクが高かった(HR 1.95、95%CI 1.77~2.15、P<0.001)。片頭痛群におけるMDのHRも、多くのサブグループで一貫して高かった。 著者らは、「韓国の成人の全国的な代表コホートを対象とした今回の症例対照研究において、MDと片頭痛は双方向の関連を有することが示された。MD患者では片頭痛の発症率が高く、逆に片頭痛患者でもMDの発症率が高かった。MD患者に頭痛が見られる場合は、片頭痛の診断を検討すべきであり、片頭痛治療薬はMD患者の症状コントロールに有効な可能性がある」と述べている。(HealthDay News 2022年7月22日) https://consumer.healthday.com/meniere-disease-tied-to-higher-risk-of-migraine-2657698759.html Abstract/Full Text (subscription or payment may be required) Copyright © 2022 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock
  • 中年期以降の女性が健康のために運動をするなら、早朝から午前中に行うと良いかもしれない。その方が心血管イベントリスクをより抑制できる可能性を示唆するデータが報告された。ライデン大学医療センター(オランダ)のGali Albalak氏らの研究によるもので、詳細は「European Journal of Preventive Cardiology」に11月14日に掲載された。なお、男性ではこのような傾向は見られないとのことだ。 Albalak氏はこの研究結果の報告に際して、「まず基本的に伝えたいことは、いつ行ったとしても運動にはメリットがあるということだ」と述べ、運動そのものの意義を強調している。実際、公衆衛生に関する大半のガイドラインでは、運動の強度や頻度に関する推奨を掲げているものの、タイミングについては触れていない。Albalak氏らはそのような認識を基盤とした上で、概日リズム(1日24時間周期の生理活動)との関連から、運動を行うタイミングが健康上のメリットに影響を及ぼす可能性があるのではないかと考え、本研究を行った。 研究には、英国の大規模ヘルスケア情報データベース「UKバイオバンク」のデータが用いられた。解析対象は、7日間連続で3軸加速度計による身体活動量が把握されていた40~69歳の一般住民8万6,657人(平均年齢61.6±7.8歳、女性58%、BMI26.6±4.5)。加速度計の記録から、身体活動のピークが早朝の群(22.9%)、午前中の遅い時間帯の群(26.1%)、夕方以降の群(19.2%)、および最も一般的な日中の時間帯に平均的に活動している群(31.8%)という4群に分類。平均6年間追跡して、冠動脈疾患(CAD)や脳卒中の発生リスクを比較検討した。 解析に際しては、結果に影響を及ぼし得る因子(年齢、性別、BMI、喫煙習慣、降圧薬・脂質改善薬の服用、タウンゼント剥奪指数)を調整し、日中の時間帯に平均的に活動している最も一般的な群を基準として比較した。その結果、女性では身体活動のピークが早朝の群で、CADのリスクが22%有意に低く〔ハザード比(HR)0.78(95%信頼区間0.62~0.97)〕、午前中の遅い時間帯がピークの群では、CADのリスクが24%〔HR0.76(同0.63~0.92)〕、脳卒中のリスクは35%〔HR0.65(同0.47~0.89)〕有意に低いという結果が示された。しかし、男性では有意な関連は認められなかった。 女性で認められた早朝や午前中に身体活動を行うことのメリットが、男性では見られないことの理由についてAlbalak氏は、「明確に説明できるデータは見つからなかった」と述べている。また、解釈上の注意点として、加速度計で把握された身体活動が、必ずしも運動を目的とするものとは限らないことを挙げ、「運動のタイミング次第で心血管疾患のリスクが変わると結論付けることは尚早」としている。 この研究報告について、米テキサス大学サウスウエスタン医療センターのLona Sandon氏は、「驚くべきもので興味深く、かつ、やや不可解でもある」と評し、より深い理解のために、対象者の食事パターンに関する情報を加味した解析を行うことを提案している。同氏は、「栄養学の研究から、夜に食べるよりも朝に食べる方が、満腹感が強くなることが分かっている。また、朝と夜とでは代謝が異なり、この研究の結果にもその影響が現れている可能性がある」と考察している。さらに、朝の運動は夜の運動よりもストレスホルモンを低下させる傾向を示唆する研究もあるという。 ただ、Sandon氏も、「どんな時間帯であっても、運動をしないよりした方が良い」と、Albalak氏と同じ言葉を口にしている。また、「通常の生活リズムの中で、可能な時間帯に運動をしてほしい。その上で、可能であれば朝のコーヒーブレイクの代わりに運動してみてはどうか」とSandon氏は提案している。(HealthDay News 2022年11月21日) https://consumer.healthday.com/exercise-and-heart-health-2658649594.html Copyright © 2022 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock
  • 変形性膝関節症に対し、一般用医薬品(OTC医薬品)としても販売されているアスピリンやナプロキセン、イブプロフェンといった鎮痛薬を使用しても、進行を遅らせる効果がないばかりか、むしろ悪化させる可能性もあることが、米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のJohanna Luitjens氏らの研究で示された。この研究結果は、北米放射線学会年次学術集会(RSNA 2022、11月27~12月1日、米シカゴ)で発表された。 非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)には炎症を惹起する体内の化学物質の産生を抑制する作用がある。NSAIDの中で最も広く使用されているのが、アスピリンやイブプロフェン、ナプロキセンである。これらの薬剤は、薬局や食料品店でもOTC医薬品として購入できる。NSAIDは関節炎の痛みを短期的に緩和するために広く使用されているが、長期的な効果については明確にされていない。 今回の研究では、連邦政府の助成を受けて実施された変形性膝関節症の長期観察研究への参加者のうち、NSAIDが1年以上にわたって定期的に処方されていた277人と、NSAIDによる治療は受けていなかった793人のデータを集めて分析が行われた。参加者は全例が研究開始時と研究開始から4年後に膝MRI検査を受けていた。Luitjens氏らは、NSAIDが有益であったか、あるいは有害であったかを明らかにするため、これらのMRIデータを調べた。その際、NSAID使用群と非使用群をできるだけ条件をそろえて比較するため、関節炎の程度を点数化して結果を調整した。 その結果、研究開始時における関節の炎症と軟骨の質のいずれについても、NSAID非使用者と比べてNSAID使用者では状態の悪いことが明らかになった。また、4年後の追跡調査時もNSAID使用者では膝の状態の悪化が引き続き認められた。 Luitjens氏は、「変形性膝関節症の炎症を抑制する、あるいは進行を遅らせるという点でNSAIDに保護的なメカニズムはなかった」とし、「近年、炎症を抑えるためのNSAID使用が変形性膝関節症患者の間で広がっている。しかし、関節の炎症に対してNSAIDが有益であるというエビデンスを得るには至っていない。そのため、そのような目的でのNSAIDの使用については再検討すべきだ」と主張している。 Luitjens氏は、「ステロイド薬が軟骨を脆弱化させるように、NSAIDも軟骨に悪影響を与える可能性がある」との考えを示す。さらに、「NSAID使用者は概して非使用者よりも活動的であり、活動中の痛みをなくすためにNSAIDを使用している場合が多いことも考えられる」とし、そうした活動により膝を損傷し、膝関節の炎症が起こりやすい状況にある可能性を指摘する。その上で、「今回の研究の結果を確認するために、今後、ランダム化比較試験を実施する必要がある」としている。 一方、米国整形外科学会(AAOS)の専門家の1人で整形外科医のNicholas DiNubile氏は、「この研究結果に基づき、これまで行ってきた診療方針を変えるつもりはない」と話す。同氏は、「興味深い疑問を投げかけた研究ではあるが、それに対する解答は示されていないと思う」との考えを示す。また同氏は、この研究で検討されたNSAIDは、実際にはもうそれほど使われていないことを指摘。「現在は、医師が患者にNSAIDを使い続けさせるようなことはしない。NSAIDの使用には、潰瘍や出血、肝臓や腎臓、心臓への悪影響など、さまざまな問題を伴う可能性があるため、われわれは可能な限りNSAIDを使わないように努めている」としている。 DiNubile氏は、変形性膝関節症の患者や、変形性膝関節症にはなりたくないと考えている人たちに対しては、減量と運動が最善の方法だと助言する。「8~10ポンド(約3.6〜4.5kg)程度の減量でも、人工膝関節置換術のリスクを有意に低減できることが示されている」と話す。また、「運動も筋肉の強化につながり、膝関節への負担を軽減することができる」と付け加えている。 なお、学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2022年11月22日) https://consumer.healthday.com/knee-arthritis-2658651202.html Copyright © 2022 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock
  • 関節リウマチ(RA)患者とRA発症前患者では、特定の遺伝的マーカーを保有している割合が高いことが、「Arthritis & Rheumatology」に8月12日掲載された論文で明らかにされた。 ライデン大学医療センター(オランダ)のMarc P. Maurits氏らは、3つの異なるデータセットから抽出した、健常対照者(HC)1,015人、臨床的に疑いのある関節痛(Clinically Suspect Arthralgia;CSA)の患者479人、およびRA患者1,146人を対象に、RAの確立された遺伝的マーカーを有する率がこれら3群間でどれほど相違しているかを検討した。 用いた遺伝的マーカーは、RA〔抗シトルリン化タンパク質抗体(ACPA)陽性〕の多遺伝子リスクスコア(PRS)と、ACPA陽性との関連が知られているヒト白血球抗原(human leukocyte antigen;HLA)-DRβ1遺伝子のうち共有エピトープ(SE)を有するもの(HLA-SE)の2種類である。CSA患者は2年間の追跡調査で炎症性関節炎(IA)に移行するかどうかを確認されており、84人がIAに移行し(CSA converter;CSAc)、残る395人は移行していなかった(CSA non converter;CSAnc)。 分散分析(ANOVA)とカイ二乗検定を用いて、各群の間でPRSの分布とHLA-SEを有する割合に統計的な有意差があるのかを評価した。また各群の中から任意の2群を選んで、PRSとHLA-SEそれぞれの平均や率を比較し、その際、群間の差やその95%信頼区間(CI)も算出した。P値はボンフェローニ法により補正した。 PRSは、−1.5から5.1の幅があり、その分布は群間で有意に異なっていた(P<0.001)。RA群のPRSの平均は1.31〔標準偏差(SD)0.96〕で、CSA群の1.07(SD 0.94)より高く(平均差0.23、95%CI 0.13〜0.34)、同じくCSAc群の1.12(SD 0.94)より高かった(同0.19、−0.02〜0.40)。RA群の平均(1.31)と最も大きな差が見られたのはHC群の1.05(SD 0.94)であった(同0.26、0.18〜0.34)。 次に、ACPAが陽性か陰性かで分けて検討した。まず、ACPA陽性者では、CSA群のPRSの平均が1.25(SD 0.99)、HC群は1.05(SD 0.94)と平均差は大きく(平均差0.21、95%CI −0.05〜0.46)、またCSA群の1.25という値は、RA群の1.41(SD 0.96)との間でも大きな平均差を示した(同0.16、−0.10〜0.42)。ACPA陰性者では、CSA群のPRSは1.05(SD 0.94)で、RA群の1.20(SD 0.94)との間に大きな平均差を生じ(同0.15、0.03〜0.27)、またCSAc群の0.97(SD 0.87)とRA群の1.20(SD 0.94)との間の違いも大きかった(同0.23、−0.04〜0.50)。 HLA-SEを有する人の割合(保有率)にも有意な群間差が認められ(P<0.001)、特にRA群の保有率0.64は、HC群の0.43との差が大きかった(差0.21、95%CI 0.17〜0.25)。CSA群の0.45はRA群の0.64よりも低かった(同0.20、0.14〜0.25)。また、CSAnc群の0.42とCSAc群の0.60との間にも相違が認められた(同0.18、0.06〜0.29)。ただし、CSAc群の0.60とRA群の0.64との差は小さかった(同0.05、−0.05〜0.16)。 HLA-SEについても同様に、ACPAが陽性か陰性かで分けて検討した。まず、ACPA陽性者では、CSA群の保有率0.59はHC群の0.43との間に大きな差が見られた(差0.15、0.03〜0.27)。このCSA群の保有率(0.59)は、RA群の0.79との間にも大きな差を示した(同0.20、0.08〜0.33)。IAに移行したかどうかで分けた上での検討もしたところ、CSAnc群の0.48とCSAc群の0.66との間の差も大きかった(同0.18、−0.07〜0.41)、さらに、CSAc群の0.66とRA群の0.79との間の差も大きかった (同0.13、0〜0.29)。これに対してACPA陰性者では、CSAnc群の0.41とCSAc群の0.54との間に差が認められただけであった(同0.13、−0.02〜0.09)。これらの結果から、HLA-SEの保有状態はACPAが陽性か陰性かで左右されると考えられた。 著者らは、「われわれの研究結果から、2つの遺伝子マーカー(主にHLA-SE、次いでPRS)の保有状態は、HC群、CSA群、およびRA群の間で異なり、特にACPA陽性の場合にはその差が顕著になることが判明した。この結果は、RAの病因に対する理解を深める上で役に立つものと思われる」と述べている。(HealthDay News 2022年8月16日) https://consumer.healthday.com/genetic-predisposition-increases-across-pre-ra-groups-2657862694.html Abstract/Full Text (subscription or payment may be required) Copyright © 2022 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock
  • 米食品医薬品局(FDA)は11月22日、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いた血友病Bの遺伝子治療薬Hemgenix(一般名etranacogene dezaparvovec)を承認した。同薬剤による治療は1回の投与で完了するが、価格は1回当たり350万ドル(1ドル138円換算で約4億8300万円)に上るという。投与の対象は、現在、第IX因子製剤による補充療法を受けている成人患者、現在または過去に命に関わる出血を経験したか、重症の自然出血エピソードが繰り返し生じている成人患者である。 血友病Bは、血液凝固第IX因子が欠落しているか、その量や質が不十分であることから生じる遺伝性の血液疾患である。血液凝固第IX因子は、止血に必要な血栓を形成する際に不可欠なタンパク質である。血友病Bの主な症状は、けがや手術後、歯科治療後などに生じる、長引く出血または重度の出血である。重症例では、はっきりとした原因なしに自然に出血が発生することもある。また、止血に時間がかかると、関節や筋肉、脳などでの出血といった重度の合併症を招きかねない。有病率は4万人に1人で、罹患者は男性に多い。女性でも血友病Bの原因となる遺伝子変異を有する保因者はいるが、約10〜25%に軽度の症状が現れる程度であり、中等度または重度の症状が現れることはまれである。 血友病Bに対する一般的な治療法は、足りない血液凝固第IX因子を凝固因子製剤で定期的に補う補充療法である。FDA生物製品評価研究センター(CBER)所長のPeter Marks氏は、「血友病に対する遺伝子治療の可能性が見え始めてすでに20年以上が経過した。血友病の治療は進歩したが、それでも、出血エピソードの予防と治療は個人の生活の質(QOL)に悪影響を及ぼしかねない」と話す。その上で同氏は、「Hemgenixの承認は、血友病B患者に新しい治療法の選択肢をもたらした。また、血友病B関連の疾病負荷が高い人々にとっては、革新的な治療法の開発が大きく進歩したことを意味する」と述べている。 Hemgenixは、血液凝固第IX因子の遺伝子を運ぶウイルスベクターで構成されており、1回の静脈注射で投与される。ウイルスにより運ばれた遺伝子は肝臓で発現し、第IX因子を産生してその血中濃度を増加させ、それにより出血エピソードを制限するという仕組みだ。 Hemgenixの安全性と有効性は、重度または中等度の血友病Bの男性患者57人(18〜75歳)を対象にした2件の試験により確認された。有効性は、対象者の年間出血率(ABR)の減少に基づき確立された。また、54人を対象にした1件の試験では、第IX因子の活動レベルが増加し、定期的な第IX因子補充療法が必要になる頻度が減少し、ABRはベースラインと比べて54%減少した。確認された副作用は、肝酵素レベルの上昇、頭痛、軽度の注入反応、およびインフルエンザ様症状などであった。 Hemgenixの承認は、CSLベーリング社に対して付与された。AP通信によると、同社は、「この薬剤により、血友病B患者での出血に対する治療数が減るため、究極的には医療費の削減につながる」との見解を示しているという。ほとんどのFDA承認薬と同様に、Hemgenixの治療代は、患者ではなく民間または政府の保険が負担するものと見込まれている。(HealthDay News 2022年11月23日) https://consumer.healthday.com/a-gene-therapy-for-hemophilia-that-costs-3-5-million-gets-fda-approval-2658772580.html Copyright © 2022 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock
  • 喫煙者が年1回の肺がんスクリーニング検査を受けることで、肺がん生存率を大幅に改善できる見込みのあることが、国際的な大規模研究で明らかにされた。低線量CTスクリーニング検査で早期段階の肺がんが発見された場合の患者の20年生存率は80%であり、がんの種類によっては100%であることが示されたという。この知見は、北米放射線学会年次学術集会(RSNA 2022、11月27日〜12月1日、米シカゴ)で発表された。 米国肺協会(ALA)によると、肺がんの平均的な5年生存率は18.6%、早期発見される肺がんは全体の16%にとどまり、患者の半数以上が診断から1年以内に死亡するという。肺がんは、がんが小さいうちに発見、治療することで長期にわたる生存が見込める。しかし、肺がんのスクリーニング検査は十分に活用されているとはいえないと研究グループは話す。最近のALAの報告では、対象となる米国人のうちスクリーニング検査を受けているのは6%にとどまり、州によっては受診率が1%とかなり低い。 今回の研究を率いた米マウントサイナイ・アイカーン医科大学放射線学教授のClaudia Henschke氏は、スクリーニング検査の障壁をいくつか指摘している。「よく言われるのが偽陽性の多さと放射線被曝だが、被曝量はマンモグラフィ検査での被曝量よりも少ない」と同氏は言う。偽陽性についても、優れたプロトコルがあるため問題にはならないという。米国予防医療専門委員会(USPSTF)は、1日1箱の喫煙を20年以上続けているか、禁煙後15年以内の50~80歳の人に、年に1回のスクリーニング検査の受診を勧めている。 Henschke氏らは1992年にスクリーニング検査のベネフィットに関する国際的な研究(登録者数8万7,000人以上)を開始し、2006年時点で、スクリーニング検査によりがんを早期発見できた患者の10年生存率が80%であったことを報告している。今回の研究では、検査でがんが早期発見された1,285人を20年間追跡した結果、20年生存率は80%であることが判明した。肺結節の分類別に見ると、すりガラス状結節の139人と部分充実型結節の155人の20年生存率は100%、それ以外の充実型結節の患者での20年生存率は73%であった。ステージ1A(リンパ節への転移がなく、腫瘍サイズが30mm以下)の肺がん患者の生存率は、充実型であるか否かにかかわらず86%、腫瘍が10mm以下の場合は92%であった。 この研究には関与していない、米レイヒー病院・医療センターのAndrea McKee氏は、「この研究は、肺がんのスクリーニング検査がどれほど効果的であるかを明らかにした」と話す。Henschke氏とMcKee氏は、「課題は、より多くの喫煙者と元喫煙者にスクリーニング検査を受けてもらうようにすることだ」と話す。Henschke氏は、「肺がんスクリーニング検査は、有効性に関するデータが出てきたのが2011年以降、保険が適用されるようになったのは2016年以降と、比較的新しい検査であるため、人々にとってなじみが薄い」と説明する。一方McKee氏は、大手たばこ会社が肺がんスクリーニング検査に関する率直な会話を阻んでいる現状や、肺がんに対するスティグマから、「自分が肺がんになるのは自業自得だ」という考えを持っている喫煙者がいることも指摘している。 なお、学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2022年11月22日) https://consumer.healthday.com/lung-cancer-screening-2658651360.html Copyright © 2022 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock
  • 高齢2型糖尿病患者の身体機能や生活の質(QOL)の維持・向上には、心理的レジリエンスが重要であることを示唆する研究結果が発表された。米ブラウン大学のKayLoni L. Olson氏らが、過体重・肥満2型糖尿病患者への教育的サポートと生活習慣介入の効果を評価した「Look AHEAD」研究後の観察研究参加者を対象に行った調査から明らかになった。詳細は「Journal of the American Geriatrics Society」に10月5日掲載された。 人口の高齢化を背景として、健康的な老化(healthy aging)の達成につながる因子への関心が高まっている。心血管代謝マーカーと健康的な老化との関連を示すエビデンスは十分に蓄積されているが、近年は心理的レジリエンス(psychological resilience)の重要性が指摘されている。心理的レジリエンスとは、精神的ストレスに直面した際に適切に適応する能力のことで、ストレス負荷に対する回復力を表す。心理的レジリエンスの高さが、健康的なライフスタイル、幸福感の強さ、死亡リスクの低さと関連していることも示唆されている。ただし、それらの関連を示した研究の多くは、対象から高齢者が除外されている。 L. Olson氏らの研究対象は、Look AHEAD研究(追跡期間中央値9.6年)終了後に継続された観察研究にも参加した、肥満・過体重の高齢者3,199人。平均年齢は72.2±6.2歳であり、BMIは34.2±8.2で、女性が61.7%を占め、HbA1cは7.5±1.4%だった。心理的レジリエンスは、簡易レジリエンススケール(brief resilience scale;BRS)という指標を用いて、Look AHEADの無作為化割付けから約14年(範囲12~16)後に評価した。BRSは、6項目の質問に対して1点(強い否定)から5点(強い同意)のリッカートスコアで回答を得て、合計スコアが高いほど心理的レジリエンスが高いと判定する。本研究では、このBRSスコアと、健康関連QOL、抑うつレベル、身体機能などとの関連を検討した。 解析の結果、BRSスコアが高いことは、HbA1cやBMIの低さ、身体機能の高さと関連が認められた。具体的には、BRSスコアが1点高いごとに、HbA1cは0.1パーセントポイント低く〔-0.10%(95%信頼区間-0.17~-0.03)、P=0.007〕、BMIは0.5低値だった〔-0.50(同-0.90~-0.11)、P=0.012〕。また、健康関連QOL(SF-36)は有意に高く、抑うつレベル(PHQ-9)は有意に低かった(いずれもP<0.001)。さらに歩行速度や握力、フレイル該当者率にも有意差が認められ、過去1年間での入院回数もBRSスコアが高いほど少なかった。 著者らは、「本研究は横断研究であるため結果の解釈には慎重を期す必要があるが、心理的レジリエンスは高齢者の身体機能とQOLの高さに関連していた。心理的レジリエンスが健康的な老化を促し、人生の晩年を豊かなものにする可能性があり、今後のさらなる研究が重要と考えられる」と語っている。 なお、数人の著者が製薬・健康関連企業との金銭的つながりの存在を明らかにしている。(HealthDay News 2022年10月13日) https://consumer.healthday.com/resilience-may-improve-health-of-older-adults-with-t2dm-2658402454.html Abstract/Full Text Copyright © 2022 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock
  • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック下で実施された、職場いじめと労働者のメンタルヘルスの実態に関する調査の結果が報告された。労働者の15%が職場いじめに遭っていたこと、在宅勤務の開始は職場いじめに遭う確率を下げるものの、男性では精神的苦痛や希死念慮の増加につながっていたことなどが明らかになった。神奈川県立保健福祉大学大学院ヘルスイノベーション研究科の津野香奈美氏らの研究によるもので、詳細は「BMJ Open」に11月2日掲載された。 職場でのいじめは労働者のメンタルヘルスに悪影響を及ぼすことが想定されるが、その実態は明らかになっていない。また、COVID-19パンデミックに伴い人々の生活はそれまでと一変し、特に労働者では雇用環境の悪化や在宅勤務の開始などにより、新たなメンタルヘルスへの負荷が加わったと考えられる。津野氏らはこれらの点について、COVID-19パンデミックの社会・医療への影響を把握するために実施された大規模調査「JACSIS(Japan COVID-19 and Society Internet Survey)研究」のデータを解析し検討した。 JACSIS研究は、国内でのパンデミック第2波から第3波の合間にあたる2020年8~9月にwebを用い、性別、年齢、居住地を人口構成に一致させた上で無作為に抽出された調査パネルに回答を依頼し実施された。2万8,000人が回答した時点で受付を締切り。本研究では無職の人や不自然な回答を除外して、有職者1万6,384人を解析対象とした。その主な特徴は、平均年齢45.7±13.8歳、男性58.6%であり、経営者が5.7%、管理職12.3%、管理職以外の正社員44.0%、契約または派遣社員8.7%、アルバイト18.7%など。業種は製造業が16.8%で最も多く、その他は全て10%未満だった。 「パンデミックに伴い身体的負荷が増えたか?」に「はい」と答えた人が20.7%で、心理的負荷については33.1%が「増えた」と回答した。26.5%の人は在宅勤務を行っており、そのうちの8.4%はパンデミックに伴い在宅勤務を開始し、18.1%はパンデミック前から行っていた。「2020年4月から半年間で職場いじめに遭ったか?」との質問には14.9%が「はい」と回答し、17.9%は「職場いじめを目撃した」と答えた。また、8.8%は精神的苦痛が重度と判定され(K6という評価スコアが24点中13点以上)、11.5%は過去半年間に「死にたいと思ったことがある」と回答した。 職場いじめに遭った人の特徴を、性別、年齢、居住地、婚姻状況、教育歴、世帯収入、職位・業種・企業規模・勤務内容、うつ病の既往歴などの交絡因子を調整して解析。すると、以下の有意な関連因子が浮かび上がった。男性(該当者率が女性より+32%)、若年(65歳未満は65歳以上より+64~171%)、低収入(世帯収入600万円未満は1000万円以上より+16~82%)、経営者(アルバイトより+76%)、管理職(同+40%)、管理職以外の正社員(同+27%)、身体的負荷の増加(増加なしに比べて+40%)、心理的負荷の増加(同+21%)。その一方、パンデミック後に在宅勤務を開始した人は、職場いじめの該当者率が有意に低かった(-19%)。 次に、職場いじめに遭遇したことと重度の精神的苦痛および希死念慮との関連を、前記と同様の交絡因子を調整して検討。すると、自分がいじめに遭った場合には、重度の精神的苦痛に該当する割合が184%、希死念慮を有する割合が113%、それぞれ有意に多いことが分かった。さらに自分が職場いじめに遭わなくても、その場面を目撃しただけで、同順に90%、41%、それぞれ該当者率が有意に高いことが示された。 続いて、重度の精神的苦痛や希死念慮に関連する因子を性別に検討したところ、男性では、パンデミック後に在宅勤務を開始したことが、有意な関連因子の一つとして抽出された(重度の精神的苦痛は+20%、希死念慮は+23%)。女性ではこの関連は非有意だった。 論文の考察の中で著者らは、本研究結果のうち注目すべき点として、女性より男性、非正規雇用者よりも正社員や管理職・経営者の方が、より多くの職場いじめに遭遇していた点を挙げている。これらは以前の研究報告にはあまり見られない結果であり、パンデミックにより状況が変化した可能性があるという。その背景として、「パンデミックに伴う勤務環境の変化への不満が、職位がより高い人に向けられた可能性があること、職位が高い人に女性よりも男性が多いことが影響しているのではないか」と推測している。 結論は、「職場でのいじめやメンタルヘルスの問題を減らすには、以前から明らかになっていたリスク因子を有する労働者だけでなく、ハンデミックに伴う環境の変化の影響を受けている労働者にも焦点を当てる必要がある」とまとめられている。(HealthDay News 2022年12月5日) Abstract/Full Text Copyright © 2022 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock