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HealthDay News
  • インフルエンザワクチンの接種により、60歳以上の人によく生じるタイプの急性心筋梗塞(AMI)の発症リスクを低減できる可能性があるとする研究結果が、「Journal of the American Heart Association」に4月8日報告された。研究論文の筆頭著者である、Hospital Universitario Príncipe de Asturias(スペイン)のAlberto García-Lledó氏は、「この研究結果は、インフルエンザウイルスがプラークの破裂に大きな役割を果たすことを示唆している」と話している。 García-Lledó氏らは、2013年6月〜2018年6月の間にプラークの破裂が原因で生じるタイプ1 AMIを発症した8,240人を対象に、同時期の5季のインフルエンザシーズンのデータと照合した上で、インフルエンザとタイプ1 AMIとの関連を検討した。対象者のうち5,553人(67.6%)がインフルエンザシーズンに心筋梗塞を発症していた。 解析の結果、インフルエンザシーズン中には、オフシーズン中と比べて、AMIの発症リスクが増加することが明らかになった(調整リスク比1.23)。また、インフルエンザの発症と最低気温の低さは、それぞれ独立してAMIの発症リスク増加と関連することも判明した。さらに、60歳以上の人では、インフルエンザワクチンの接種によりAMIの発症リスクが低減することが確認された。 García-Lledó氏は、「この研究結果は、寒波が到来するインフルエンザシーズンに、AMIの予防キャンペーンを実施することの必要性を改めて明示するものだ。さまざまな予防ツールの中で最も重要なのが、インフルエンザワクチンの接種だ」と述べている。 García-Lledó氏によると、健康関連の専門家は通常、60歳以上の人、ハイリスクの人、および医療従事者に対して、60〜70%のインフルエンザワクチン接種率を目指していると説明。その上で、「残念ながら、欧米ではこの目標は達成されていない。この目標を達成し、可能ならそれを超えることが重要だ。インフルエンザを軽症の呼吸器感染症と甘く見てはいけない。呼吸器感染にとどまらない原因で、予防できたはずの死を招く可能性は十分にある」と話す。 インフルエンザとAMIの関連は、過去にも報告されている。2018年の研究では、インフルエンザ感染の確認後1週間以内でAMIリスクが6倍高まり、このリスクは高齢者とAMIの初回発作を経験した人で最も高かったことが報告されている。また、8季のインフルエンザシーズン中にインフルエンザで入院した8万人以上の成人患者を対象にした2020年の米国の研究では、8人に1人の患者に急性で重度の心血管イベントが生じたことが報告されている。 米国心臓病学会(ACC)と米国心臓協会(AHA)は以前より、心血管疾患の合併症予防を目的としたインフルエンザワクチンの接種を推奨している。また、米疾病対策センター(CDC)も、生後6カ月以上の全ての人に対して、毎年インフルエンザワクチンを接種するよう呼び掛けている。 この研究には関与していない、米ヴァンダービルト大学医療センターのDaniel Muñoz氏は、「この研究は、温暖な気候の単一の大都市圏で行われたため、得られた結果も限定的なものだ。地理的に多様な場所で調査しても同じ結果が出るのかどうか知りたいものだ」と述べている。 その一方でMuñoz氏は、「インフルエンザは全身に影響を与える感染症であることに目を向けさせる、賢明で思慮深い研究だ。得られた結果は、インフルエンザワクチンの接種により救われる命があることを示す、新たなエビデンスとなるものだ」と高く評価している。また同氏は、「循環器専門医は、喫煙や糖尿病、高血圧といった従来のAMIリスク因子にばかり留意しがちだが、インフルエンザワクチンの接種状況について患者に確認を取ることの重要性を医師に認識させる研究結果だ」と述べている。(American Heart Association News 2021年4月8日) https://consumer.healthday.com/aha-news-flu-may-play-part-in-plaque-rupturing-heart-attacks-2651882309.html American Heart Association News covers heart and brain health. Not all views expressed in this story reflect the official position of the American Heart Association. Copyright is owned […]
  • 米国では、B.1.429、またはCAL.20Cと呼ばれる新型コロナウイルスの変異株が、カリフォルニア州を中心に急速な広がりを見せている。そんな中、米モデルナ社製のmRNAワクチンと、米ノババックス社製のナノ粒子ワクチンの2種類のワクチンが、この変異株に対しても有効であるとする研究結果が報告された。ただし、南アフリカで最初に確認された変異株(B.1.351)に対しては効果が大きく低下するという。米デューク大学医学部のDavid Montefiori氏らによるこの研究の詳細は、「The New England Journal of Medicine」に4月7日掲載された。 Montefiori氏らは、モデルナ社製のワクチンを接種した26人とノババックス社製のワクチンを接種した23人、および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の回復期にある14人から採取した血液サンプルを用いて、カリフォルニア由来の変異株と南アフリカ由来の変異株に対する抗体の中和能を測定した。なお、ノババックス社製のワクチンは、遺伝子組み換え技術を用いて抗原タンパク質を大腸菌や哺乳類細胞などで増殖させ、単離・精製する組み換えタンパク質ワクチンと呼ばれるものであり、数週間以内に米食品医薬品局(FDA)の承認を得る見込みであるという。 その結果、いずれの血液サンプルも、元々のウイルスに対する有効性よりは多少低下するものの、カリフォルニア由来の変異株に対して強力な防御能を持つことが明らかになった。しかし残念ながら、いずれのワクチンも、南アフリカ由来の変異株に対しては、有効性が有意に低下することが確認されたという。 カリフォルニア由来の変異株は、米国を越えて25カ国に急速に広がっている。今回の研究で得られた結果についてMontefiori氏は、「現在使用されているワクチンが、カリフォルニア由来の変異株に対しても有効であるということは朗報だ」と述べる。そして、「米国では現在、この変異株が英国由来の変異株と同じくらい蔓延していることから、この知見は重要である」と付け加えている。 なお、米ファイザー社製のワクチンについては、今回の研究では調査を行っていない。しかし、このワクチンはモデルナ社製のワクチンと同様の技術を用いて開発されたものであるため、Montefiori氏らは、「同様の結果が出ると思われる」との見方を示している。(HealthDay News 2021年4月8日) https://consumer.healthday.com/b-4-8-two-vaccines-… Copyright © 2021 HealthDay. All rights reserved.
  • 末梢動脈疾患(PAD)の痛みのために長時間歩き続けられないという症状に対する、歩行運動の効果が報告された。ある程度の速さでの歩行を続けていると、歩行可能距離を延ばせる可能性があるという。その速さとは、足に痛みが生じる速さであり、痛みを生じない速度では効果が認められないとのことだ。米ノースウェスタン大学ファインバーグ医学部のMary McDermott氏らの研究によるもので、詳細は「Journal of the American Medical Association(JAMA)」に4月6日掲載された。 PADとは、動脈硬化のために主として下肢の血流が不足する病気のこと。安静時に症状がなくても、歩き始めてしばらくたつと足の筋肉の虚血(血流不足)が起きて痛みを生じ、休憩後にはまた少し歩けるという「間欠性跛行」と呼ばれる症状が現れる。米国では約850万人、世界では約2億5000万人がPADを患っていると推計されている。 歩行運動には筋肉の血管新生を促すことなどによる、間欠性跛行の改善効果があることが知られている。しかし、その適切な歩行速度は明らかでない。McDermott氏らは、PAD患者に異なる2種類の速度で歩行運動を続けてもらい、効果を比較するという研究を行った。なお、この研究は米国立心肺血液研究所(NHLBI)の資金提供によって行われた。 研究対象は米国内4カ所の医療機関のPAD患者305人(平均年齢69.3±9.5歳、47.9%が女性)。参加者をランダムに以下の3群に分類。1群は歩行運動を課さない対照群(65人)とし、他の2群のうち1群は虚血による痛みが生じない速度での歩行を課す低速歩行群(116人)、他の1群は虚血による痛みを生じる速度での歩行を課す高速歩行群(124人)。後二者の歩行群の患者には1回50分、週5回の歩行運動を続けてもらった。12カ月後、6分間で歩行できる距離を計測した。歩行運動を12カ月間継続したのは250人(82%)だった。 歩行を課さなかった対照群の6分間の歩行距離は、ベースライン時が328.1m、12カ月後は317.5mであり、有意な変化は見られなかった〔変化量-15.1m(95%信頼区間-35.8~5.7)、P=0.10〕。低速歩行群も、ベースライン時332.1m、12カ月後327.5mで、やはり有意な変化はなかった〔変化量-6.4m(同-21.5~8.8)、P=0.34〕。この両群の変化量に有意差はなく〔対照群に対し低速歩行群が8.7 m(97.5%信頼区間-17.0~34.4)、P=0.44〕、足に虚血が生じない速度の歩行には、歩行距離を伸ばす効果が認められなかった。 一方、高速歩行群は、ベースライン時の338.1mから12カ月後には371.2mとなり、歩行距離が有意に伸びていた〔変化量34.5(95%信頼区間20.1~48.9)、P<0.001〕。また低速歩行群との比較で変化量に有意差が認められた〔高速歩行群に対し低速歩行群が-40.9m(97.5%信頼区間-61.7~-20.0)、P<0.001〕。なお、有害事象は全体で184件発生し、各群の参加者1人当たりの発生率は、対照群0.46、低速歩行群0.64、高速歩行群0.65だった。 McDermott氏は、「高強度の運動は、生物学的反応を引き起こして筋肉の健康と脚への血流を改善する可能性が高い」とまとめている。また、「本研究では、歩行運動に痛みを和らげる効果があるのかは評価しなかった。この点についてはさらなる研究が必要」と、今後の展開に期待を述べている。 本報告をレビューした米アーマンソン-UCLA心筋症センター所長のGregg Fonarow氏は、「この知見はPAD患者に対する高強度運動の重要性を支持するものだ」とした上で、「低強度運動は高強度運動よりも、効果が有意に低い。PADの歩行制限の改善に関して、低強度の運動には痛みも利益もないということだ」と付言している。(HealthDay News 2021年4月7日) https://consumer.healthday.com/4-8-for-pad-suffere… Copyright © 2021 HealthDay. All rights reserved.
  • さまざまな種類の鳥や植物が見られる、生物多様性が高い地域に住んでいる人々は、生物多様性が低い地域に住んでいる人々と比べてメンタルヘルスの状態が良いとする研究結果を、ヘルムート・シュミット大学(ドイツ)のJoel Methorst氏らが報告した。研究グループは、「この結果は、自然保護が人々にとっていかに利となるかを示す新たな例だ」と説明している。研究結果は、「Landscape and Urban Planning」に3月25日発表された。 Methorst氏らは、ドイツの約1万5,000世帯の約3万人から収集された、メンタルヘルスと健康状態に関するデータと、人々の居住地域の生物多様性に関するデータを用いて、それらの関連を分析した。生物多様性に関しては、鳥と植物の多様性と鳥の生息数を指標として評価した。 その結果、居住地域の鳥や植物の多様性とメンタルヘルスとの間には正の相関が認められ、多様性が高い地域に住んでいる人ほど、メンタルヘルスは良好であることが明らかになった。しかし、このような多様性の高さは、身体的健康には関連していなかった。また、人々のメンタルヘルスには、近隣に公園や緑地があるかどうかとも関連しており、自宅からそうした場所までの距離が近い人ほど、メンタルヘルスも良好であることも判明した。 その一方で、Methorst氏らの予測に反し、鳥の生息数の多さはメンタルヘルス向上に関係しない可能性も示された。この点について同氏は、「生息数の多いハトやカモメ、カラスなどの鳥類を好まない人は多い。そのことが、この結果の背景にあるのではないか」と推測している。 また、鳥や植物の多様性と身体的健康との間に有意な関連が認められなかったことについてMethorst氏らは、「両者はより間接的な関係にあるのではないか」との考えを示している。例えば、鳥たちが多く生息する植生の豊かな屋外で活動を楽しむことは、人々の健康に有益な効果をもたらす可能性があるという。 研究論文の上席著者で、クリスティアン・アルブレヒト大学キール(ドイツ)環境・エネルギー経済学教授のKatrin Rehdanz氏は、「今回のわれわれの研究では、自然保護を、人々のメンタルヘルスやウェルビーイング(精神的・身体的・社会的に良好な状態にあること)を増進させる方策の一つとして捉えることができる可能性が示された。この知見は、特に都市計画や緑地管理において意義のあるものだといえる。生物多様性の改善に向けた投資は、都市部に住む人々の健康増進につながる可能性がある」と述べている。(HealthDay News 2021年4月7日) https://consumer.healthday.com/b-4-2-more-biodiver… Copyright © 2021 HealthDay. All rights reserved.
  • 近年、血圧管理の指標として診察室血圧(医療機関での測定値)よりも、家庭血圧(自宅での測定値)が重視されるようになった。その家庭血圧に影響を及ぼす因子として、従来から知られている肥満や飲酒に加え、尿中ナトリウム/カリウム比(尿Na/K比)と睡眠効率が重要であることが明らかになった。「Hypertension Research」に2月15日、北海道大学大学院医学研究院公衆衛生学教室/東北大学東北メディカル・メガバンク機構の平田匠氏らの論文が掲載された。 尿Na/K比は塩分摂取量および野菜・果物の摂取量のバランスを示す指標とされ、この値が高い場合、塩分の摂取過多、もしくは野菜・果物の摂取不足と考えられる。一方、睡眠効率は就床時間に占める睡眠時間の割合であり、この値が低い場合、睡眠の質が良くないと考えられる。血圧管理における尿Na/K比や睡眠効率の重要性を指摘した研究が増えているが、それらが日本人で高血圧の有病率にどのくらいの影響を及ぼすかを検討した報告はない。 平田氏らは、東北大学東北メディカル・メガバンク機構がオムロン ヘルスケア(株)と共同で行っている成人を対象としたコホート研究の参加登録時のデータを用いて横断研究を実施し、家庭血圧高値に対する従来の危険因子(肥満、中等度以上の飲酒)と、その他の危険因子(尿Na/K比高値、睡眠効率低値)の集団寄与危険割合(Population Attributable Fraction;PAF)を算出した。各危険因子は以下の基準で定義した。肥満はBMI25以上、中等度以上の飲酒はエタノール換算1日当たり46g以上で定義し、尿Na/K比は5.20〔全解析対象者の第3四分位数(上位25%に該当する値)〕以上を高値、睡眠効率は85%未満を低値と定義した。また、朝の平均家庭血圧が135/85mmHg以上、または高血圧治療を受けている人を「家庭血圧高値」と定義した。 解析対象者は1,384人(男性28.4%、年齢58.8±12.9歳、BMI22.9±3.3)であり、各危険因子を有する対象者の割合は、肥満22.5%、中等度以上の飲酒14.2%、尿Na/K比高値24.9%、睡眠効率低値13.7%であった。また、解析対象者のうち、18.6%が従来の危険因子のみ、20.2%がその他の危険因子のみを有し、両者を有していたのは14.3%であった。 全解析対象者の39.0%に家庭血圧高値を認めた。多変量解析で血圧に影響を与え得る因子(年齢、性別、喫煙状況、1日の平均歩数の対数変換値)で調整後、評価した全ての因子が家庭血圧高値と有意に関連していた。各因子の家庭血圧高値に対する相対危険度は、肥満でオッズ比(OR)3.14(95%信頼区間2.33~4.25)、中等度以上の飲酒でOR1.52(同1.06~2.19)、尿Na/K比高値でOR1.40(同1.04~1.88)、睡眠効率低値でOR2.51(同1.71~3.70)となった。また、各因子の家庭血圧高値に対するPAFは同順に、23.7%、6.5%、7.9%、11.6%であった。 従来の危険因子とその他の危険因子で分類すると、従来の危険因子の家庭血圧高値に対する相対危険度はOR2.80(同2.15~3.65)、PAFは30.2%であり、その他の危険因子の家庭血圧高値に対する相対危険度はOR2.50(同1.93~3.22)、PAFは39.0%であった。また、従来の危険因子がなくても、その他の危険因子がある場合は家庭血圧高値の相対危険度がOR1.68(同1.19~2.37)と有意に高かった。このほか、評価した4つの危険因子の家庭血圧高値に対するPAFを年齢で層化して算出したところ、65歳未満は44.9%となり、65歳以上の35.2%よりも高い値を示した。 以上をまとめると、従来の危険因子とその他の危険因子の双方が家庭血圧高値と有意に関連しており、PAFは肥満が最も高く、以下、睡眠効率低値、尿Na/K比高値、中等度以上の飲酒と続いた。また、従来の危険因子がない場合でも、睡眠効率低値と尿Na/K比高値が該当する場合は、家庭血圧高値の相対危険度が有意に高いこと、および、各危険因子の家庭血圧高値に対する影響は高齢者より若年者の方が大きいことが明らかになった。 著者らは、「高血圧の予防には、従来の危険因子に加えて、尿Na/K比と睡眠効率の改善が望まれる」と結論付けている。(HealthDay News 2021年4月19日) Abstract/Full Text https://www.nature.com/articles/s41440-021-00628-y Copyright © 2021 HealthDay. All rights reserved.
  • 社会的に孤立した生活の高齢者はメンタルヘルスが悪化しやすいことが知られているが、犬を飼っている人や過去に飼ったことのある高齢者は、そのリスクが低いという研究結果が報告された。一方、猫を飼うことには、そのような効果が認められなかったという。東京都健康長寿医療センター研究所の池内朋子氏らの研究によるもので、詳細は「Animals」に2月24日掲載された。 ペットを飼うことによるメンタルヘルスへの影響を検討した研究は少なくないが、社会的に孤立した状態の高齢者での研究は少ない。池内氏らは、そのような高齢者でもペットを飼うことのメリットがあるとの仮説を立て、東京都大田区の住民を対象に行われている「大田元気シニアプロジェクト」のデータを用いて以下の検討を行った。 2016年8月に大田区在住の65~84歳で要介護状態でない高齢者1万5,500人にアンケートを郵送。得られた回答1万1,925件(回答率76.9%)から、記載内容に不備のあるものなどを除き、9,856人分の回答を解析対象とした。対象者の平均年齢は79.9±5.5歳、50.1%が女性であり、19.6%は独居だった。また93%以上の人は、移動や買い物、金銭管理などを自分自身でできると回答した。 「友人や隣人と会ったり外出したりする頻度」、「電話で友人や隣人と話す頻度」などの4つの質問に対する全ての回答が「週に1回以下」だった場合に、「社会的に孤立している」と定義すると、家族と同居している人でのその割合は29.7%、独居の人では25.3%だった。 メンタルヘルス状態は、世界保健機関による指標(WHO-5)で評価した。これは主観的な幸福感を25点満点でスコア化するもので、点数が低い場合にうつ傾向が強いと判定される。本研究では13点未満をメンタルヘルスが不良と定義したところ、27.7%がこれに該当した。 ペットの飼育経験については、14.1%が現在、犬または猫を飼っており、29.7%は過去にいずれかを飼っていた時期があり、56.2%は犬や猫を飼ったことがなかった。 これらのデータを基に、社会的孤立やペットの飼育経験とメンタルヘルス状態との関連を、多重ロジスティック回帰分析により検討した。なお、メンタルヘルス状態に影響を及ぼし得る因子(年齢、性別、独居/同居、収入、居住地域)は調整した。 まず犬の飼育経験の有無で比較すると、犬の飼育経験があり社会的に孤立している高齢者に比べ、犬の飼育経験がなく社会的に孤立している高齢者は、メンタルヘルス不良の起こる可能性が有意に高いことが明らかになった〔オッズ比(OR)1.22、95%信頼区間1.03~1.46〕。その一方で、猫の飼育経験の有無で比較した場合、メンタルヘルス不良の起こる可能性に有意な差はなかった(OR1.11、同0.90~1.37)。 なお、社会的に孤立していない高齢者では、犬や猫の飼育経験の有無にかかわらず、メンタルヘルス不良に該当する確率が、ペットの飼育経験があり社会的に孤立している高齢者より有意に低かった。 この結果を基に著者らは、「犬の飼育経験がある社会的に孤立した高齢者のメンタルヘルス状態は、飼育経験がない人よりも良好と言える」と結論付けている。なお、猫の飼育経験と犬の飼育経験とで異なる結果となった理由については、犬を散歩させる習慣がメンタルヘルスに好影響をもたらす可能性や、犬は人間との豊かな意思疎通が可能であることが関係しているのではないかと考察している。(HealthDay News 2021年4月19日) Abstract/Full Text https://www.mdpi.com/2076-2615/11/3/595/ Copyright © 2021 HealthDay. All rights reserved.
  • Teplizumab(テプリズマブ)が1型糖尿病の発症高リスク状態にある人の膵β細胞機能を改善し、1型糖尿病発症を遅延させることを示したデータが報告された。同薬を14日間投与するという1コースの治療で、その効果が認められたという。米インディアナ大学のEmily K. Sims氏らの研究によるもので、詳細は「Science Translational Medicine」に3月3日掲載された。 Sims氏らは、近親者に1型糖尿病患者がいてハイリスクであるものの1型糖尿病未発症の被験者を対象とする、プラセボ対照ランダム化比較試験を実施。テプリズマブまたはプラセボを14日間投与し、その後の膵β細胞機能の変化、および1型糖尿病の発症率を比較検討した。本報告は、923日(中央値)追跡した時点の結果をまとめたもの。 本報告における追跡終了時点まで1型糖尿病未発症だったのは、プラセボ群22%、テプリズマブ群50%であり、発症ハザード比は0.457(P=0.01)とリスクが半減していた。また、テプリズマブまたはプラセボの投与から1型糖尿病発症までの期間の中央値は、プラセボ群の27.1カ月に対し、テプリズマブ群は59.6カ月だった。 テプリズマブ群では膵β細胞機能の改善も認められた。具体的には、研究登録時点のインスリン分泌能はテプリズマブ群の方が低かったが、追跡期間中に逆転。その後もプラセボ群では分泌能の低下が続いたのに対し、テプリズマブ群では安定していた。C-ペプチドの曲線下面積(AUC)の平均値は、プラセボ群の1.72pmol/mLに対してテプリズマブ群は1.94pmol/mLであり、年齢とベースライン時の値で調整後も両群間に有意差が認められた(P=0.006)。なお、テプリズマブまたはプラセボ投与後のプロインスリン/C-ペプチド比は、両群間に有意差がなかった。 著者らは、「1型糖尿病を発症する可能性の高い子どもたちが、未発症のまま成長していくことは、非常に重要なことだ」と述べている。 なお、一部の著者は、テプリズマブを開発中のProvention Bio社との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2021年3月12日) https://consumer.healthday.com/teplizumab-can-dela… Abstract/Full Text Copyright © 2021 HealthDay. All rights reserved.
  • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより、米国での心臓外科手術数が大幅に減少し、患者の転帰が悪いことが、米国胸部外科医学会(STS)年次集会(1月29~31日、バーチャル開催)で報告された。 米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のTom C. Nguyen氏らは、STS成人心臓外科手術データベース(2018年1月1日~2020年6月30日)を照会し、国および地域レベルで手術数、傾向、転帰を調べた。COVID-19の流行については、米ジョンズ・ホプキンス大学のCOVID-19データベースを用いた(2020年2月1日~2021年1月1日)。 71万7,103人の成人心臓外科患者と2000万人強のCOVID-19患者のデータを調べた結果、成人心臓外科手術数は2019年に比べ全米で53%減少、待機的(選択的)手術は65%減少したことが判明。COVID-19の影響は、中部大西洋岸とニューイングランドで最も大きく、心臓手術全体で71%減少、待機的手術は75%減少した。COVID-19前のベースラインと比較すると、中部大西洋岸およびニューイングランドでは、単独冠動脈バイパス術でのO/E比(2020年2月1日~2021年1月1日)は最大1.48だった。 「COVID期間中に心臓手術を受けた場合、罹患率・死亡率のリスクが高まる。COVIDの我々への影響が大きいことは疑いない」とNguyen氏は述べている。(HealthDay News 2021年2月10日) https://consumer.healthday.com/pandemic-tied-to-dr… Press Release More Information Copyright © 2021 HealthDay. All rights reserved.